昔のダイアリイを見てくださってた方はご存知と思いますが
ここ5年くらいずっと
張りがあって、力強く
どこまでも届くような黄金色の音をだせる
Evah Pirazzi Gold
を使っていました。
そちらの方向性は今回旅した黄砂陣、金砂子
そして小品集『月の沙漠の最果ての』で、自分の中で結実したのと
また、物理的にも張力が強く、
オールドには負担が大きすぎたので
(それで去年楽器が入院してしまい)
次の『雨と湖』のテーマのために
色々と弦を張り替えて、相応しい音を探っていて
セロも、今はその方向を求めていて、喜んでくれている気がします。
いっそガット弦まで行ききってもいい気もしてますが
日本の湿度だと、なかなか音の安定が厳しいですし、さてどうなるか…。
晴れる直前の雨のように
優しくて、ゆっくりとして、明るく澄んだ音。
弦によって弾き方も変わるので(特にスチール→ナイロン or ガットは)
ぴったりのが見つかるまでしばらく試行錯誤です。
*
ペドロおじさんの弓も、イタリアから帰ってきてから
ずっと使っています。
花灯路の後、これまでの弓が金属疲労的な形で折れてしまったので
ちょうどいいタイミングでした…。
これは、前も書いたんですが
紅の豚で、主人公が機体を乗り換えるシーンがあり、あんな感じで
新しい弓のポテンシャルが大きすぎて
まだまだ全貌が見えず…とても楽しいです
(ペドロおじさん本当にありがとうございます。
次は、一緒に山に登りましょう!ドロミテ!!)
これまでの弓と比べると
全体的に数グラム重くて、
手元にあった重心が、先の方にあります。
それはつまり手元のわずかな動きが、大きく増幅されて伝わるので
よりシビアに手をコントロールするのと、
次に弾くことの先を準備しておかないと、弓に振り回されるばかりです。
ただの棒を振るのと、先っぽに重りのついた棒を振る違いのような。
自由にまっさらなフレーズを弾くときも
知らないし初めて弾くのに、それを知ってないと全然動きが追いつかないという矛盾が…。
軽くて、手元に重心があり、反応が早くて
瞬間的に反応してくれる弓に慣れていて、
紅の豚の比喩はまさにそんな感じです。
エンジンが大きくなってじゃじゃ馬!みたいな。
*
小さい時、マリオカートで
ノコノコとかピノキオを好んで使っていて
最高スピードは遅いけど
レスポンスが良くて、障害物やトラブルも
その場の反射神経だけで軽々と避けることができる、そういうのが好みでした。
これは弓や、ゲームだけでなく、今思うと
人生万事、自分のやり方だったように思います。
しかし最近思うのは
自分一人でできることなどはたかが知れていて
色んな方のお力添えがないと質の高い作品が作れず…
ということは、その分ウエイトが重くなり
昔ほどプロジェクトも軽々と動かせず時間もかかりますが
クッパやドンキーコングのようなトップスピード、
そして多少の障害ならものともせず、速度を落とさず
物事を先に進める力強さが
今後は必要な気がして
そして、小事にとらわれない
そのやり方のほうが、より高く、遠くに行けるのではないか、と。
そういう心境の変化は、花灯路の時に船本さんに教わった
「それはトラブルではなくドラマであり」
が大きいと思います。
道の途中の風景もゆったりと楽しみながら
遠くまで行ければいいな、と…。
*
新しい弓で練習してて、全然操作感違う!
というところから、そんなことを思いました。
ノコノコからクッパに乗り換えたんだよ!!
*
あと、やちさんのブログで、今回の楽器について書いてくださいました。
セロの完成も本当に楽しみであります。
昨年お話が決まってから、ずっとこの画像を
iPhoneの待ち受けにしています。
僕が勉強不足で理解してなかったのですが
Oceanoというのは、イタリア語で
『海』
だったんですね…。ここにも水の縁が…。
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あと、また改めますが
8/28(日)
こちら…今年の青誕祭の日程になります。
本決まりなので、あなたの手帳に是非!
『水と湖』の曲もまたいくつか演奏できると思います。