美術展トークショーありがとうございました!
平日の夜なのに、たくさんの方にお集まりいただき嬉しかったです。
お手紙や差し入れも、いつもありがとうございます…。
こうしてステージ以外で
裏話的なことをお伝えするのは初めての機会で
自分としても、とても楽しく、意外に2時間すぐに過ぎてしまいました。
またいつかできたらいいなと思います。
もちろん左ききのゴーシュの物語や音楽は
聞いた方の自由に感じていただければ一番嬉しく、
これからも、ゴーシュの旅にお付き合いいただければ幸いです。
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そして、二週間ほど、イタリアに行ってきます。
メインの目的は、クレモナという街。
ヴァイオリンやチェロをやっている人なら知らない人はいない
ストラディバリウス・アマティ・グァルネリなど
錚々たる楽器が生まれた街です。
今、そこでセロを作ってもらっていて
楽器が生まれる故郷を見たい、というのが一番の目的で。
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今使っているセロは、11か12歳くらいの時、フルサイズに変えるタイミングで両親に買ってもらったものです。
プラハから来たと聞いていて、今80歳くらいだそうです。
もう四半世紀近く、いつもそばにいてくれて
ふと思うと、高校が終わって家を出たので家族の誰より
そして、どんな道具より
人生で長く一緒にいて
辛い時も、善い時も、全てを見てくれているというのが
僕とこのセロとのお付き合いで…
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ただ、本来演奏家としては
楽器の故障の時や、あるいは演奏会のコンセプトで使い分けたり
数台楽器を持っているべきだというのは
僕もずっと思っていました。
お金が無尽蔵にあれば僕もそうしたかったです…が
まずは東京で自分の居場所、演奏を続ける環境、
技術を維持し思いつきをRECできる、24時間いつでも音が出せる場所、
を構築するのが精一杯で
その代わり音楽の面ではなんとかその1台で全てをやってきました。
が。
その分、楽器への負担が大きく
去年の頭、とうとう大きな修理になり、一ヶ月弱入院してしまいました。
その間のお仕事がかなり不安で、
特にレコーディングとかは音が残ってしまうので、珍しく弱気になり
これはまずいと思いまして
もう一台、自分のセロと巡り合うためのプロジェクトを
腰を据えて取り掛かり始めました。
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しかし、東京だけでも楽器店がいくつもあり
新作とオールドと、数え切れないくらい楽器があり
どれだけ試奏をすれば巡り会えるのか、
月に2、3回は隙を見て楽器屋さんを巡る、何ヶ月かそんな時間が続きました。
念願のもう一台を持つこと、そして新しいセロと出会うのは楽しく心躍る話なのですが
実際の過程においては、その道のりの長さに、逆に心が重くなるというのも…正直なところでした。
…なんか…話に聞く婚活に似ているような。
釣書とか履歴書のスペックじゃないのよ!フィーリングなのよ!
そして、お店での短い試奏時間じゃよくわからないのよ!!
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それとは別に、数年前ネットを見ていて
心に残っていたブログがありました。
こちらです。天使のチェロ。
これらはある職人の方のブログで、
天使の羽の素材とか、本当に素敵だと思いました。
あと、青の名前のセロで、セロケースも青でオーダーされてたり
そういうことも本場ではできるんだ!と思いました。
ただ、その時僕はお金もないわけですし
自分の楽器を作ってもらうということなんて、そもそも全く頭に浮かばず、別世界のお話でした。
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しかし、去年、楽器を探していて疲弊していた時
ふとそのブログを思い出しまして
お金のことはさておき、
楽器を自分で買うのなんて一生に数回有るか無いかのことで
折角なら、自分の楽器をオーダーするという選択肢もあるのでは?と
頭をよぎりまして
そして、そこからは早かったです。いつも通り僕の座右の銘
「ブッ殺してやる」ってセリフは…終わってから言うもんだぜ
オレたち「おかっぱの世界」ではな
というのが発動しまして(相手にとって超迷惑)
まずダメ元でイタリアにメールをし、お手紙を書き
上記のブログの、クレモナの職人
さんに正式に、セロを、作っていただくことになりました。
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奇しくも?関西ご出身で、
帰国されるタイミングで、何回か僕も大阪にお邪魔し
過去の楽器作品を弾き、打ち合わせを重ね
楽器の方向性や、楽器へのお願いを聞いていただきました
(この辺りはたまにツイートしておりましたね)。
そして…驚くことに
あのブログで見ていた…
天使の羽の木を、使っていただけると…
?!
これは、僕が言い出したわけでは全くありませんで、
やちさんがご提案下さって、なにか、ご縁に感謝するばかりです。
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やちさんは、小柄で穏やかな美しい女性で
一見すると、どこから大きいセロを作るパワーが?!と思うばかりです。
ブログにある通りセロを作るのは、バイオリンよりも相当体力が必要で
男性職人でも相当にハードな仕事だとか…。
が、一度就職しつつも夢を捨てきれず日本を飛び出し
クレモナに飛んだエピソードや、お話しさせてもらうと
芯に秘めた炎というか、そういう部分をいつも感じます。
ご縁があって作っていただくことになり、本当に嬉しいです。
楽器弾きにとって、自分の楽器をオーダーで作ってもらえるなんて
例えば車を買うとか家を買うとか
そういうものとは全く違う、心が震えるような経験だと思います。
セロが完成し、ある程度弾きこんだ暁には
お披露目演奏会も、必ずしたいと思っています。
*
というわけで、セロが生まれるクレモナに、お邪魔してきます…。
あ、後、弓も、やちさんが懇意にされている
ペドレおじさんという方に作ってもらえることになり
試奏したら、すごい弓が跳ねるのですが、
その弾力に、音量とニュアンスのバッファを感じました。
『紅の豚』で、赤い飛空艇のサボイアが新しくなった時みたいな
(↑例えがわかりずらいと思います)。
その方は、やちさん曰く
「現代イタリア随一の腕を持っている方ですが、山にこもられていて早く引退したい」
とおっしゃっているらしくて、
「僕の弓を作ってからにしてねHAHAHAHA
あ、あと糸まきは青でよろしく!アッズーロ色好きなんです!」
などと、気軽にお礼のCDなど送ったりしてましたが
この前立ち寄った都内某大手楽器屋さんで、
しっかりと彼のコーナーがあり
立派な顔入りパネルとかもあって、ちょっと目が飛び出ました。
そう日本においても、まごう事なき、巨匠でした。
……。
大変恐縮です。ペドレ様。
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あとここからは完全に蛇足ですが、イタリアといえば
僕が憧れておかっぱにしたギャングスターの国でもあるので
今回、僕がどれだけ心躍っているか、そちらも想像していただけるかと思います。
青月泰山 第5部 黄金の風
「ギャングになる」「セロを見る」
「両方」やらなくっちゃあならないってのが「幹部」のつらいところだな
覚悟はいいか?オレはできてる
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それでは、2週間イタリアに行ってきます。
その間のお知らせは、下記になりますのでどうぞよろしくお願いします。
また、キヨさんのサイトにて、期間限定コンテンツ
『FAR SIDE OF THE MOON』
も合わせてお楽しみください。
新小品集『月の沙漠の最果ての』
新生オンラインストアにて、お申し込みお待ちしておりますね。
『月の沙漠の金砂子』こちらは6月一杯で〆切になります。
発送が遅くなり、すいません。
小品集は、美術展でお買い上げいただけますので…。
それでは。
アリアリアリアリアリーヴェデルチ!
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