Photo by HIROKI DOMOTO
*
今まで、左ききのゴーシュの写真しかなくて
これまでもサポートや、プロフィールを出すお仕事の時
なぜこの人だけ不思議な格好で雪山や沙漠や湖の中に立ってるんだろう…
というクライアントの?…?を感じる時があって
青月泰山本人のアーティスト写真が必要!と思い続けて、ようやく今です。
3月の半ばに撮っていただきました。
*
改めてのご紹介ですが
岡山県児島に住むD君とはもう十年来のお付き合いで
『桜紅源』の写真とデザインをやってもらったり、
サイトを作っていただいたり、
大変お世話になっている写真家・webデザイナーです。
20代の初めの頃
ギリシアのサントリーニ、夕陽の街イオで出会いました。
皆さんも写真で見たことがあると思いますが
白い壁と青い屋根の小さな箱のような家が岬に密集している
ザ・エーゲ海の場所です。
学生最後の年、その憧れのギリシアに旅をして
ロケーションは大変ロマンチック、それが男女だったら恋に落ち映画化決定ですが
自分は、その時トラブルでキャッシュカードが使えないことが発覚し
割と顔面蒼白で切羽詰まっていました。
その時、偶然街で出会い、フィルムをくれたり、お金を貸してくれたり
大変助けてもらいまして、それ以来のお付き合いです。
*
D君は、地元の特産を活かしたメーカーさんのお仕事を多くされていて
(児島だと紡績や服飾が多いでしょうか)
また、地域の家族写真なども手がけ
地に足をつけた、風土に根を張った生き方をされていて
毎回、児島に行くたびに、その広がりを感じます。
今の自分の境遇からすると、とても眩しい存在です。
また、日焼けした往年の野球選手のようないかつい見た目からの
実直な人柄、繊細な作風、丁寧で早い仕上げというギャップにやられ
とても仕事のファンが多いというのも納得です。
そのD君が、事務所の敷地に、
蔵を改装して新しくスタジオを作ったという話は聞いていて
しかもハッセルブラッドのデジタルシステム(?!)を入れたと聞き
これは撮ってもらわねば…と隙を伺っており
ようやくそれが実現した次第。
*
今回自分も一人で行きましたし、
カメラアシスタントさんもおらず二人だけ、
薪ストーブが燃える中
シャッター音、ストロボの電子音だけが響く空間でした。
衣装も全身私服(ジーパンは無論児島産です)、
メイクもなし、
年齢のことはあんまり気にしたことはないですが
もう四捨五入すれば40歳、同世代を見れば、もう立派な中年中堅社会人です。
とはいえ、虚勢を張っても仕方がないので
今の、素の自分を撮ってもらうことをテーマにしました。
ありのーままのー 少しも寒くないわー
撮影自体はごく短時間で終わり
しかし取れ高を見ますと、選定に迷うくらい善い写真が多く
というのは自分のポーズ云々というより
あまりこれまで自分でも見たことがない表情というか、
安心しているような穏やかな顔をしていて
こういう面を引き出してもらってとてもありがたいです
(気のせいか、ちょっと恥ずかしげですね)。
二人のこれまでの関係性で撮れた写真だと思っています。
*
この1カットをアー写で使うだけだと勿体無いので
一応、2人で善いと思ったのを8枚仕上げていただきました。
何か、お客さんにも手にとっていただけるような形にできればいいな…と
また気長にお待ちください。
*
あ!あと!せっかくなので
サンダルフォンもめちゃくちゃ綺麗に撮ってもらいました
(ハッセルに撮ってもらえるなんてなかなかないので…)。
気合のライティング、ブツ撮りの方が人より時間がかかった入魂ショットになります。
このダイアリイは2MBまでしか写真がアップできないのが残念ですがそれでも
背中の羽もよく見えます!
データをもらって、思わずすぐに、
イタリアのやちさんにメールお送りしてしまいました。
人物の肌とか、
セロのニス越しの木肌の質感とかもさすがハッセル…。ビビりました…。